歯科医院を経営する上でのリスク【キャッシュフロー税理士ファイルNo.12】

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目次

はじめに

事業を行う上で、リスクは付きものです。歯科医院の経営を成功させるためには、そのリスクを十分に理解し、回避する努力をしていく必要があります。これは歯科医師としての仕事ではなく、歯科医院の経営者としての仕事になります。自分の歯科医院をもつにあたっては、医療技術のみならず、経営の技術も要求されます。まずは、歯科医院を経営する上でのリスクの理解からはじめましょう。

 

恵まれない市場

レッド・オーシャンという言葉は聞かれたことがあるでしょう。既存市場が赤い海の状態、つまり、血で血を洗うような競争の激しい市場のことを指す言葉です。歯科業界は、まさにこのレッドオーシャンです。コンビニより多い歯科医院、医療費の規模も横ばいで増加が期待できない、年々増加する歯科医師の数など、開業するには悪い条件しかない産業です。

しかし、歯科医師であるあなたは、転職でもしない限り、歯科医師でやっていくしかない。歯科医院の開業とは、この赤い血の海に自ら飛び込んでいくようなものなのです。飽和状態の歯科業界においては、患者さんというパイの取り合いが起こっています。開業後は、じっと待っていても患者さんは増えないという現実に直面するでしょう。歯科業界という恵まれない市場というリスクは背負っていくしかありません。

 

多額の借金が必要になる

歯科医院開業においては、多額の設備投資が必要です。最低でも5000万から1億の資金が必要になってきます。この開業資金は銀行からの借り入れで準備することがほとんどです。銀行から借りたカネなので、返済していかなければなりません。

一般的に、歯科機器などの設備資金は15年、運転資金は10年で返済していきます。さらに、開業して10年ほど経つと、医療機器や内装などが劣化したり、故障等も起こるようになり、メンテナンスや機器の入れ替えが必要になります。その際には再度銀行からの借り入れを行ったりしますので、借金というものはなかなか無くなりません。歯科医院経営とは、開業と同時に大きな借金を背負い、長期間にわたって借金返済に追われるという特徴があります。最悪の場合は、借金が返せないということも起こります。

 

院長がプレイヤーというリスク

歯科医院経営においての特徴として、院長がプレイヤーという点が上げられます。多くの歯科医院は、院長による歯科医師ひとりで運営していることが多いでしょう。これは歯科医院経営においては大きなリスクなのです。

もし、院長が病気やケガで診療ができなくなったら? と考えてみてください。代診の先生を雇うか、歯科医院を閉めるしかないです。院長不在が長期間になるほど代診の先生に頼むことは厳しくなるでしょう。そうなると歯科医院を閉めている間、収入が途絶えてしまいます。仮に代診の先生を雇えたとしても、代診の先生の人件費が発生しますので、従来通りのお金は残りません。さらに、患者さんは院長に診療して欲しいから来院されているので、次第に患者離れが起こってきます。このように院長自身がプレイヤーであるというリスクが存在しています。

 

経営者マインドの欠落

院長は社長か? 答えは、社長です。

歯科医院という医療機関の会社の社長なのです。医療機関なのでニュアンス的にそぐわない感じがしますが、仕組みは同じです。歯科診療を行い、診療報酬が入り、材料代や人件費、その他の経費を支払い、残ったものが歯科医院の利益。収入が支出を上回れば利益、これは一般の会社となんら変わりありません。

しかし、この収入と支出のバランスを意識している院長は少ないようです。また、どのくらいの収入を目指したいのか? どのくらいの利益が欲しいのか? 将来的にどのくらいの規模の歯科医院にしたいのか? という目標設定が曖昧な院長が多いようです。

これらは経営者のマインド、視点です。歯科医院の院長が、経営者として自分の歯科医院を積極的に経営していないことがリスクでもあるのです。

 

おわりに

独立して事業をするということは多かれ少なかれリスクをともなうことは当たり前なことです。しかし、歯科医院を経営するということは、レッドオーシャンへ飛び込むということです。

大きなリスクを背負っての経営となるため、院長はしっかりとした考えをもって歯科医院という会社の経営に望む必要があります。院長は経営者でもあるということを自覚しなければなりません。

そして、この大きなリスクを回避するためには、競争相手に対して優位性をもつことが大事となってきます。優位性とは、競争相手に対して優れているポイント、あなたの歯科医院が選ばれるポイントは何だ? 患者さんにとって、あなたの歯科医院に行ったら、どんないいことがあるのですか? ということです。

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