歯科医療機器は、購入とリース、どちらが得なのか? 【歯科医院ブログNo.8】

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目次

はじめに

このタイトルは、税理士がよく受ける質問です。特に歯科医院の場合は、多額の設備投資が必要なので慎重な判断をしないと、損する場合もあるので要注意です。損得を考える場合、多くの方が節税に意識が向きがちで、税金の損得を考える傾向があります。しかし、損得は税金の問題だけではありません。むしろ、税金以外のことで損することが多いので、正しい判断基準をもっておくことが大事です。

購入とリースの仕組み

<購入の仕組み>

購入した設備の所有権は歯科医院に帰属します。購入方法は、自己資金か銀行融資あるいはクレジット利用となります。経費計上の方法は、決められた耐用年数に応じて減価償却という方法で経費にしていきます。価値が目減りした分を経費にしていくという考え方です。この減価償却の方法は、定率法と定額法のふたつがあり、定率法は未償却残高が多い最初の年ほど多くの償却費が計上できます。また、定額法は耐用年数の中で一定の額を償却費として計上していきます。

<リースの仕組み>

リースとは、リース会社が対象となる設備を購入し、一定期間にわたって他の企業に賃貸する、という取引のことです。つまり、歯科医院としては導入した設備を借りているということになります。経費計上の方法は、支払ったリース料を経費にしていきますので毎月一定金額になります。

購入とリースのメリット・デメリット

<購入のメリット・デメリット>

購入のメリットは、一般的に長期利用になるとリースより割安になる傾向があります。また、自社の所有物になりますので、移転や買い換えが自由にでき、不要になれば売却してお金に換えることもできます。デメリットは、導入費用が高額になる場合は、手元資金が一気に減ります。手元資金に余裕が無い場合は、銀行、クレジット会社からの借り入れが必要になってきます。

<リースのメリット・デメリット>

リースのメリットは、購入のような多額の初期費用がいらないことが大きなメリットです。リースは借り物なので、リース期間が終われば新しい設備への入れ替えが容易です。借り物なので利用中の故障等に貸主であるリース会社は迅速に対応しくれるのでトラブルに慌てることがありません。デメリットは、リース期間中に中途解約ができないことが挙げられます。もし解約する場合は、リース料残債分を請求されます。また、自己資金での購入に比べれば、支払総額が割高になります。

歯科医療機器は、購入とリース、結局どちらが得なのか?

得をしたいというのは、みんなの共通認識でしょう。では、得とは、何に得したいのでしょうか?おそらく税金が得することを意識されている方が多いでしょう。

最初に残念なお知らせです。購入もリースも「節税の観点」では、どちらかが有利ということはありません。あるのは、先に多く節税できるか、後に多く節税するのかの違いなのです。つまり、早めに税金が少なくなるか、遅めに税金が少なくなるか、の違いだけ。経費にする総額が変わらないならば、基本的に最終的な節税額は変わらず、節税効果も大差ありません。

購入かリースかで基本的に得することはありませんが、「損」することはあります。あなたが損しないために、購入とリースの三つの違いを理解しておく必要があります。その三つの違いとは、①キャッシュアウトのタイミング、②経費になる時期、③金融機関・保証協会の貸出枠、です。

支払い総額について一番安いのは、現金購入です。しかし、現金購入の場合は、手元資金が一度にキャッシュアウトしますので、資金余裕が少ない場合は運転資金が不足する場合がありますのでオススメできません。なので、銀行から融資を受けるかクレジットでの購入か、それともリースにするかの選択が望ましいです。

経費になる時期については、リースの場合は毎月一定の支払いリース料分を経費にしていきますが、定率法による減価償却の場合は、償却の仕組み上、前半期間に多くの部分が経費になっていきます。この定率法による減価償却の特性を活用することで節税効果が見込まれる場合があります。それは、歯科機器を導入する年の利益がいつも以上に見込まれる場合です。そのような時は、リースにせず購入を選択し、定率法による減価償却をすることで大きな節税効果が見込めます。

金融機関・保証協会の貸出枠を考えておくことが、歯科医院経営で最も重要なことです。歯科医院を開業するにあたっては、多額の設備資金が必要なので、金融機関からの借入金依存度が高いです。そこに新たな設備投資のために追加融資を受けており、この貸出枠に余裕が無ければ、いざ資金繰りが苦しくなった時に融資の申込みをしても断られる場合があります。したがって、金融機関の貸出枠を温存しておくことも考えておく必要があるのです。貸出枠を温存するために、リースを使うという選択はとても有効なのです。

おわりに

歯科医療機器の導入は、リースが得か?購入が得か?

その答えは、どちらも得したと言うほどの大差はない、でした。しかし、大きく損をすることがあるので、慎重な判断をしなければなりません。その損しない判断を的確にするためには、節税という観点から離れて、「キャッシュフロー(資金繰り)という観点」をもつべきです。もっと具体的に説明すると、銀行との取引について意識しておきましょうということです。

経営において、いつ何時、大きな資金が必要になるか分かりません。その有事の際に必要な資金を準備できる状況を作っておくべきということです。その資金の調達先のひとつが金融機関なのです。その金融機関には取引先ごとに貸出枠がある。そのあなたの歯科医院の貸出枠をある程度は温存しておく経営が将来の備えになってきます。そのためのリースの活用はとても有効で、「得」したといえるのかもしれません。

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