令和の時代は、カネ!?【キャッシュフロー税理士の資金繰りファイルNo.8】

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目次

ソニー

ソニーが方針を変えましたね。利益目標からキャッシュフロー目標へ。日経新聞の5月22日の記事によると、キャッシュ(現金)を生み出す能力を一段と重視することにしたと。2021年3月期までの3年間に本業が生み出す現金収支(金融を除く)を前期の3年間に比べて5割増やす計画だそうです。そして、生み出したキャッシュはゲームや半導体など競争力の高い事業の強化に充てると。

 

利益とは?

利益って何でしょうね? 会計上の利益とは、収益から費用を差し引いたものです。収益とは、企業が活動する中で得たもの。それは売上ですね。一方、費用とは企業活動の中で出て行くもの。商品仕入れや広告宣伝費や社員への給料などの事業を行うための様々なコストのことです。これらを差し引いたものが利益です。つまり、利益は「会社が儲かっているかどうか?」を表すものです。

 

利益目標は時代遅れ?

ソニーは、なぜ利益目標からキャッシュフロー目標に変更したのでしょうか? 利益を追い求めてはダメなのでしょうか? 確かに利益は大事です。会社を運営して行くには利益が必要です。黒字だからおカネが増えるのです。でも「黒字倒産」という言葉を聞いたことありますよね。または、あなたが社長であったら、こういう経験はないですか? 利益がでているのに会社におカネが全然ない、、、

 

会社が潰れるとき

会社は赤字だから潰れるのではないのです。赤字がつづくとおカネがなくなります。おカネが無くなったときに会社は潰れます。そうです、おカネが無くなったら潰れるのです。会社を運営する資金が無いから潰れるのです。裏を返せば、赤字でもキャッシュがあれば潰れないということです。

 

キャッシュと利益

キャッシュとは、現金、資金という事業を行う元手となるおカネ、会社を運営していくおカネのことです。このキャッシュと利益は同じではないのです。利益は、損益計算書で計算されます。損益を計算するルールがあって、それに基づいて計算するとキャッシュの流れを表すことができなくなるのです。キャッシュの流れと利益の流れにズレが生じるのです。例えば、ツケで商品を販売した場合、販売したので売上は計上しなければなりません。でも、売上代金はツケなので未入金です。このズレが生じるのです。おカネは入ってきていないのに売上を計上しないといけないルール。利益が出てもキャッシュが増えていないなら、儲かったと言えるのでしょうか。

 

利益も大事だが、カネはもっと大事!

このように企業経営をしていく上で、キャッシュが増えたかどうかが一番大事なのです。キャッシュが増えれば、そのキャッシュで再投資ができます。成長するための軍資金です。1年間営業してきて、キャッシュがどれくらい増えたかが問われる時代なのです。キャッシュフローを追いかける時代なのです。そうすると利益は必ずついてくる!

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